7月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1422
ナイス数:28
痴人の愛 (角川文庫)の感想
『文豪ストレイドッグス』に登場する谷崎潤一郎の妹・ナオミの元ネタ(この『痴人の愛』に登場するナオミが、谷崎潤一郎の義妹をモデルにしていたことにちなんでいる)。400頁ちかい分量で綴られているのは、底知れぬ女の魔性と、それに理性を破壊され屈服する、マゾヒスティックな男の狂気である。女性賛美と形容するには、あまりにも淫靡で禍々しく歪んだ愛の世界だった。谷崎潤一郎という人は、正真正銘のド変態であるなぁ。
読了日:07月01日 著者:谷崎 潤一郎
汚れつちまつた悲しみに…… 中原中也詩集 (角川文庫)の感想
詩集とは感ずることが全てであり、ココでああだこうだと書き連ねるものではないと思う。
読了日:07月04日 著者:中原 中也
なぜ、世界は“右傾化"するのか? (ポプラ新書)の感想
なんだか最近、世の中ゴチャゴチャしてきやがったなぁと思ったので手に取った。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツが抱える「右傾化(=時代の逆行を望む動き)」と難民・移民の問題について、池上彰の解説と増田ユリヤの現場ルポを交互に配置して読み解いていく構成。マスコミが報じ切れていない部分までいろいろと突っ込んであり、今後ニュースを見るにしても視点が少しちがってきそうだ。
読了日:07月05日 著者:池上彰,増田ユリヤ
転生 (幻冬舎文庫)の感想
「臓器移植」に材をとった社会派ミステリーである。デリケートなテーマでありつつも、ファンタジー性、家族愛、友情、恋愛に、科学・医学の蘊蓄など盛りだくさんの内容で難解さも無く、分厚さが全く苦にならない面白さだった。ラストの落とし所も、題材の重さとエンタメの嘘とのバランスが丁度よい。
読了日:07月12日 著者:貫井 徳郎
このマンガがすごい! comics 七人の侍 (このマンガがすごい!comics)の感想
1970年に「少年マガジン」誌上で短期集中連載された劇画版である。DVDもビデオも無い当時、作者のケン月影は、東宝から借りたフィルムを講談社で6回鑑賞し、シナリオと照らし合わせながら絵コンテに描き起こしていったという。想像しただけで気が遠くなりそうな作業を経て生まれた本作は、映画本編に勝るとも劣らないド迫力。こんなアイテムが手頃な価格で所有できるのだから、まったくいい時代になったものだ。
読了日:07月16日 著者:黒澤 明,小国 英雄
読書メーター
『燃えよドラゴン』(☆☆☆)
『燃えよドラゴン(Enter The Dragon/龍爭虎門)』
1973年
アメリカ・香港合作
監督:ロバート・クローズ
出演:ブルース・リー、ジョン・サクソン、ジム・ケリー、シー・キエンほか
わたしが思うに、男の人生は3通りに分岐する。それは、
ブルース・リーの映画を見て、
「こんな男になりたい!」と思うか、
「こんな作品をつくりたい!」と思うか、
「こんな映画をもっと見たい!」と思うか。
鍛え上げられた肉体から繰り出される、電撃のような鋭いパンチとキック。
怪鳥音と称される「アチャアアァァ――!!」という独特の雄叫び。
超高速で空気を切り裂くヌンチャクさばき。
そして喜怒哀楽の表情だけで画面に華を出す、俳優としてのパーソナリティ。
まさにブルース・リーは、男を虜にする魅力を結晶化したような大スターであった。
そんな彼の死後、エンタメ界には「こんな男になりたい!」と思った奴らと、「こんな作品をつくりたい!」と思った奴らが続々と出現し、様々なかたちで、熱い想いを作品に叩きつけてきた。
仮面ライダーメテオ(from『仮面ライダーフォーゼ』)
こんなのとか、
映画『映画フレッシュプリキュア!おもちゃの国は秘密がいっぱい!?』(監督:志水淳児)より。
こんなのとか。
おそらくこの動きは、半永久的につづくことだろう。
本作の円盤はいろいろと種類が出ているが、一番高品質なのは、2015年に発売されたBlu-ray「メモリアル・エディション」だ。画質が通常版BDより綺麗で特典映像も豊富なうえ、日本語吹替がTBS版(ブルース・リー:谷口節)とテレ朝版(ブルース・リー:富山敬)のW収録になっている。財布に余裕のある人は是非。