知ってることだけ話しますよ

主にニチアサ(スーパー戦隊・仮面ライダー・プリキュア)、ときどき読書

2017年12月の読書メーター&鑑賞メーターまとめ

12月の読書メーター
読んだ本の数:1
読んだページ数:252
ナイス数:40

君の名は。 (角川つばさ文庫)君の名は。 (角川つばさ文庫)感想
言わずと知れた大ヒット映画を、監督自らの手で小説化した作品である。都内在住の高校生・瀧と、田舎に住む女子高生・三葉が、不思議な運命に導かれて惹かれ合う、ファンタジックな物語。一人称形式のライトノベル風タッチであるせいか、映画本編よりもコミカルさが増しているように感じられる。また活字の利点を活かし、主人公ふたりの心情が細かく掘り下げられている所も特筆すべきだろう。映像で伝えきれなかった部分をここで描き切らんとする、監督の熱意が伝わってきた。
読了日:12月03日 著者:新海 誠

読書メーター

12月の鑑賞メーター
観たビデオの数:5本
観た鑑賞時間:364分

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星を追う子ども』で「遠い世界」の物語をつくった新海誠監督が、ふたたび「どこにでもありそうな世界」に戻ってきた。ひたすら美しい雨の描写が印象に残る、ささやかなラブストーリー。本作のヒロイン:ユキノさんは『君の名は。』にカメオ出演しております(時系列を考えると矛盾するのでパラレルワールドになるけど)。
鑑賞日:12月11日 監督:新海誠
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グリーン・ランタン、ザ・フラッシュ、マーシャン・マンハンターを中心にした、超スケールのアクション巨編。ずっとずっと日本盤の発売を願っていたので、感激もひとしおだった。
鑑賞日:12月13日 監督:デビッド・バロック
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貧乏な育ちの青年トム(アラン・ドロン)は、大富豪の息子である友人フィリップ(モーリス・ロネ)を殺し、その財産と恋人マルジュ(マリー・ラフォレ)を手に入れようと企てる。女流作家P・ハイスミスの小説『才能あるリプリー氏』を大胆に脚色したサスペンス映画で、アラン・ドロンの名声を世界中に轟かせた名作である。ドロンをはじめ俳優たちの演技、イタリアのロケーション、音楽、ストーリー展開すべてが究極的に美しい、まさに映画の中の映画。
鑑賞日:12月29日 監督:ルネ・クレマン
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鬼才スタンリー・キューブリックが、独特の映像美学でベトナム戦争のクソっぷりを抉り出した戦争映画の名作。とくに前半、新兵を凄まじい罵倒を交えて訓練するハートマン軍曹(リー・アーメイ)の存在感は強烈で、我が国でもマンガ・アニメ・ラノベで、ハートマン軍曹を元ネタにしたキャラやセリフが腐るほど乱発された。本BDには、かつて劇場公開用に制作されながらお蔵入りした日本語吹替を収録し、画質も旧BDより向上。あらゆる面で最高のソフトだ。
鑑賞日:12月29日 監督:スタンリー・キューブリック
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ゴジラ2000』から始まったミレニアム・シリーズの集大成にして、シリーズ最狂最大の異色作。地球征服をもくろむX星人の侵略に、地球防衛軍が立ち向かう。<戦いのシーン以外が眠気をさそうほど退屈>という北村龍平監督の弱点を、ゴジラ映画にすることで解決した力技には感動を禁じ得ない(戦いのシーン以外は怪獣が暴れるシーンなので退屈せず見られる)。とにかく全編、怪獣とマーシャルアーツと怪獣と銃撃戦と怪獣で構成された、過剰なサービス精神にゲップが出る快作である。
鑑賞日:12月30日 監督:北村龍平

鑑賞メーター

東野圭吾「加賀恭一郎シリーズ」③~『赤い指』『新参者』

東野圭吾「加賀恭一郎シリーズ」①~『卒業』『眠りの森』『悪意』 - 知ってることだけ話しますよ

東野圭吾「加賀恭一郎シリーズ」②~『どちらかが彼女を殺した』『私が彼を殺した』『嘘をもうひとつだけ』 - 知ってることだけ話しますよ

↑これまでの紹介記事はこちら

 

 

多くの東野圭吾作品とおなじく、加賀恭一郎シリーズも映像化の機会に何度か恵まれている。

 

まず『眠りの森』が1992年にテレ朝「土曜ワイド劇場」にて、『眠りの森の美女殺人事件』のタイトルで放映。このとき、加賀恭一郎には山下真司が扮した。

その後2001年に、『悪意』がNHK東野圭吾ミステリー:悪意』のタイトルで連ドラ化。主人公は加賀恭一郎から、定年を間近に控えた初老刑事:西原甲子男(演:間寛平)に変更されている。

そして『嘘をもうひとつだけ』の中から、「冷たい灼熱」「狂った計算」の2本が、テレビ東京系の2時間ドラマシリーズ『多摩南署たたき上げ刑事・近松丙吉』の脚本原案に使用された(「冷たい灼熱」は2001年、「狂った計算」は翌2002年に放映)。

 

決定版となったのが、2010年にTBS「日曜劇場」枠で放映された『新参者』だろう。阿部寛が加賀恭一郎に扮したこの連ドラは好評を博し、それに連なるかたちで、2011年にTVSP『赤い指』が放映。その後2012年に麒麟の翼』が映画化され、2013年にはTVSP第2弾『眠りの森』が放映されている(つまり『眠りの森』は二度映像化されているわけだ)。さらに、完結編となる劇場版『祈りの幕が下りる時』の公開もアナウンスされている。

 


映画『祈りの幕が下りる時』予告

 

『赤い指』『麒麟の翼』『眠りの森』は、映像化の際それぞれ、

 

・『赤い指~「新参者」加賀恭一郎再び!~』

・『麒麟の翼~劇場版・新参者~』

・『眠りの森~新参者・加賀恭一郎~』

 

と副題がつけられた。

 

そのためか、ドラマから入った人は、小説の方も「新参者シリーズ」と呼ぶ傾向があるようだ。

 

今回取り上げる2作品『赤い指』『新参者』と、次回取り上げる2作品麒麟の翼』『祈りの幕が下りる時』は、そんな「新参者シリーズ」の原作となる。

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2017年11月の読書メーター&鑑賞メーターまとめ

11月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:1038
ナイス数:39

時代劇の「嘘」と「演出」 (歴史新書)時代劇の「嘘」と「演出」 (歴史新書)感想
週刊ポスト」誌上に連載された『時代劇を斬る!』をまとめたもの。主に<考証>の観点から、新旧問わず時代劇を語っている。歴史に詳しくなれる実用書というわけでもなく、その辺りを期待したら、得るものは多くないかもしれない(随所にトリビア的な歴史知識が記されているので、少しは勉強になる)。
読了日:11月08日 著者:安田 清人
夜は短し歩けよ乙女 (角川つばさ文庫)夜は短し歩けよ乙女 (角川つばさ文庫)感想
作品世界に戸籍を移して住み着きたくなるような、何ともここちよい物語でありました。根が俗物なわたくしめには、とてもとてもオモチロイ小説と思われたのですけれども、これは生真面目な御仁が手に取ったら、頁をめくるごとにボルテージ上昇、ついには怒髪天を衝き書を燃やしてしまうのではないかしらん。どっこい本作は山本周五郎賞受賞作。生真面目な御仁が読んでもオモチロイ小説だったようです。なむなむ!
読了日:11月16日 著者:森見 登美彦
真夏の方程式 (文春文庫)真夏の方程式 (文春文庫)感想
寂れた観光地で湯川と出会った小学五年生の少年・恭平くんを中心に展開する、ガリレオシリーズ長編三作目。シリーズ最長464頁のボリュームでもって語られる物語は、湯川&恭平くんの凸凹コンビがジュブナイル的展開を見せながら、『容疑者Xの献身』と重なる部分をうかがわせつつ、また松本清張砂の器』へのオマージュと思わしき描写が用意されている、多層的な仕上がりである。読後にのしかかる重みも、そんな多層的な物語に相応しい複雑なものであった。
読了日:11月30日 著者:東野 圭吾

読書メーター

 

………………

 

今月は母が急に倒れて緊急入院※して家の中がゴタゴタし、読書も鑑賞もすすまなかった。むう。

 

※検査の結果、薬の副作用を原因とする薬物性肝障害および、胆石による消化系の炎症であることが判明。胆石の除去をおこない、体力の回復をまって退院となった。よってお気遣いは無用である。