知ってることだけ話しますよ

主にニチアサ(スーパー戦隊・仮面ライダー・プリキュア)、ときどき読書

東野圭吾「加賀恭一郎」シリーズ④~『麒麟の翼』『祈りの幕が下りる時』

 

映画「麒麟の翼 ?劇場版・新参者?」【TBSオンデマンド】祈りの幕が下りる時 Blu-ray 豪華版

 

加賀恭一郎シリーズは、作品の発表期間がとても長い。東野圭吾がデビュー直後に発表した『卒業』から始まり、10作目『祈りの幕が下りる時』は2013年。それゆえか、発表された時期に応じて作品の形態が異なっている。同じく人気シリーズの『ガリレオ』が

 

ワトソン役の草薙俊平(ドラマでは内海薫)が不可解な事件を持ち込んでくる

湯川学が科学の知識を活かして推理を行う

事件解決

 

という、『暴れん坊将軍』的な定番パターンで展開するのとは対照的である。

 

タイトルごとのフォーマットを見ていくと、

 

『卒業』=青春群像

『眠りの森』=ラブストーリー

『悪意』=登場人物の手記というかたちで全編進む

どちらかが彼女を殺した』=どちらが犯人なのか最後まで明かされない

私が彼を殺した』=容疑者3人のうち誰が犯人なのか最後まで明かされない

『嘘をもうひとつだけ』=短編集

『赤い指』=徹底的な鬱展開

『新参者』=「証言をするモブキャラ」を中心にした短編連作

 

共通するのは「加賀恭一郎が登場する」点だけで、見事にバラバラ。バラエティーに富んでいるなどという形容が陳腐に思えてくるほどだ。

 

そんな加賀恭一郎シリーズは、最後にどのような展開を見せたのだろうか。

 

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2018年の読書メーター

2018年の読書メーター
読んだ本の数:50
読んだページ数:14097
ナイス数:370

「司馬遼太郎」で学ぶ日本史 (NHK出版新書 517)「司馬遼太郎」で学ぶ日本史 (NHK出版新書 517)感想
史実との違いをあげつらうのではなく、あくまで司馬作品が内包していたロマンや現代へのメッセージを尊重し、丹念に読み解いていく姿勢に好感が持てる。歴史ガイドとブックガイド両方の面を兼ね備えた贅沢な一冊。
読了日:01月09日 著者:磯田 道史
〈映画の見方〉がわかる本 ブレードランナーの未来世紀 (新潮文庫)〈映画の見方〉がわかる本 ブレードランナーの未来世紀 (新潮文庫)感想
『トラウマ映画館』『トラウマ恋愛映画入門』につづき、町山さんの著作を読むのはこれで3冊目になる。80年代にアメリカを沸かせたマスターピースな映画たち……『ターミネーター』『未来世紀ブラジル』『プラトーン』『ロボコップ』、そして『ブレードランナー』など全8作品を取り上げ、そこに込められた情報を、丹念に丹念に読み解いていく。『ターミネーター』『ロボコップ』は何度も見ている作品なのに、本書で指摘されている要素に気づけなかった己の不明を恥じる。映画の深淵を知るのは、映画を見るのと同じくらい楽しいものだ。名著。
読了日:02月03日 著者:町山 智浩
淀川長治のシネマトーク 上 (マガジンハウス文庫)淀川長治のシネマトーク 上 (マガジンハウス文庫)感想
雑誌『an・an』に連載されたコラムを傑作選的に集めて書籍化したものである。タイトルに『シネマ“トーク”』とあるように、淀川長治みずから執筆したのではなく、インタビュアー三宅菊子聞き書きによる。「日曜洋画劇場」での“解説”とは違いあくまでトークであるから、やれカーク・ダグラスは嫌いだのスピルバーグは金の亡者になっただの、辛辣なディスりがちょくちょく入るのが面白い。
読了日:02月04日 著者:淀川 長治
淀川長治映画ベスト10+α (河出文庫)淀川長治映画ベスト10+α (河出文庫)感想
淀川長治が生前、『キネマ旬報』をはじめとする映画雑誌へ寄稿した文書を集めた書籍である。「日曜洋画劇場」での解説とは打って変わって、作品の良い所・悪い所、監督の上手さ・下手さをズバズバと鋭く批判する姿勢に、新鮮な驚きを味わう。なるほど「解説」と「評論」とはまるっきり違うものなのね。本の中で挙げられて興味を抱いた映画のソフトをamazonのカートに突っ込んだら、破産しそうなほどパンパンになっちゃった。むふふふふ。
読了日:02月07日 著者:淀川 長治
知らないではすまされない自衛隊の本当の実力 (SB新書)知らないではすまされない自衛隊の本当の実力 (SB新書)感想
SB新書の池上本はテレビ番組(フジテレビ系列『池上彰緊急スペシャル』)の書き起こしが多いが、これもその例に漏れず。自衛隊の成り立ちや仕事内容について論じている。軍事について書かれた本は、右翼的であったり中韓への差別意識にまみれていたりしてムナクソ悪いものが多いが、本書はすんなり読める分、かなり良識があると思う。
読了日:02月15日 著者:池上 彰+「池上彰緊急スペシャル!」制作チーム
四畳半神話大系 (角川文庫)四畳半神話大系 (角川文庫)感想
「なんでこんな、性根の腐った人間のクズみたいな奴が主人公なのに、何とも言えぬ心地よい味わいが全編にわたって滲み出てきてるんだろう」 「いわば作者なりの愛ですよ、愛」 「こんな汚い愛など……ちくしょう、大好きだ!!」
読了日:02月19日 著者:森見 登美彦
知っているようで実は知らない世界の宗教 (SB新書)知っているようで実は知らない世界の宗教 (SB新書)感想
キリスト教イスラム教、仏教、神道についてざっくり解説。それと、近年の皇室をめぐる動きなど。
読了日:02月19日 著者:池上彰+「池上彰のニュースそうだったのか!!」スタッフ
ボトルネック (新潮文庫)ボトルネック (新潮文庫)感想
もしかすると、この作品に影響されて厭世観に耐えきれなくなり、自ら命を絶ってしまう人が出るかもしれない――そんな考えが頭をよぎるほど、よく出来ている。何かをしなかった後悔は、積もり積もると己の全てを潰すのだ。胸が深く抉られる名作である。
読了日:02月26日 著者:米澤 穂信
怖すぎる永井豪~くずれる編~ (トクマコミックス)怖すぎる永井豪~くずれる編~ (トクマコミックス)
読了日:02月26日 著者:永井豪とダイナミックプロ
怖すぎる永井豪~ススムちゃん大ショック編~ (トクマコミックス)怖すぎる永井豪~ススムちゃん大ショック編~ (トクマコミックス)
読了日:02月26日 著者:永井豪とダイナミックプロ
池上彰のこれが「世界のルール」だ! (文春文庫)池上彰のこれが「世界のルール」だ! (文春文庫)感想
タイトルがややこしいが、これまで文春新書で刊行されていた「そこからですか!?」シリーズのつづきである。内容は基本的に「週刊文春」掲載時のデータそのままだが、あとがきでちゃんと補足があるよ。
読了日:03月08日 著者:池上 彰
世界を動かす巨人たち <政治家編> (集英社新書)世界を動かす巨人たち <政治家編> (集英社新書)感想
まさかヒラリーさんがトランプさんに選挙で負けるとは、このとき誰も信じていなかったんですねぇ。
読了日:03月21日 著者:池上 彰
自民党ひとり良識派 (講談社現代新書)自民党ひとり良識派 (講談社現代新書)感想
いささか自己弁護的に過ぎる点やノスタルジィ(昔は良かった論)に傾斜している点など、100%納得できる内容とは言い難い。それに、1章~3章で展開される安倍政権への批判にしても、これまで野党やジャーナリストたちによって指摘済みな内容であり、既視感が拭えなかった。むしろ興味深かったのは後半。小泉政権時代を振り返る4章、ネガティブイメージのある「派閥」や「官僚主導」の良い面を主張する5章・7章、「対案」を提示するラストの第8章はかなり得る物が多く感じた。
読了日:03月24日 著者:村上 誠一郎
淀川長治のシネマトーク 下 (マガジンハウス文庫)淀川長治のシネマトーク 下 (マガジンハウス文庫)感想
紹介されてる作品、8割がたソフトが「廃盤」と表記されている。2014年時点の情報だから、再販やBlu-ray化などされているのもあるだろう。
読了日:04月01日 著者:淀川 長治
となりの怪物くん愛蔵版(1) (KCデラックス デザート)となりの怪物くん愛蔵版(1) (KCデラックス デザート)感想
「あんたのやり方は、間違ってないとはいえない。でも、ハルが優しい人間なのを、私は知ってる」。雫がハルにかけたこの言葉で、何人もの怪物くんが救われたんだ、きっと。
読了日:04月03日 著者:ろびこ
となりの怪物くん愛蔵版(2) (KCデラックス デザート)となりの怪物くん愛蔵版(2) (KCデラックス デザート)感想
サブキャラクターの掘り下げが始まり、作品世界がどんどん広がっていく。雫・ハルの主役2人はもとより、ゴルベーザ(夏目)、ササヤン、ヤマケン、大島さん、みっちゃん等、魅力的でないキャラクターが1人もいないとは凄い。つくづく漫画とは、1にも2にもキャラクターが命なのだと思った。
読了日:04月06日 著者:ろびこ
となりの怪物くん愛蔵版(3) (KCデラックス デザート)となりの怪物くん愛蔵版(3) (KCデラックス デザート)感想
前半は表紙の通りゴルベーザ(夏目)を中心にした展開で、後半は雫のバースデー兼バレンタインのエピソード。キャラクターそれぞれの成長と、それに伴う関係性の発展に胸が熱くなる。また前巻から、ヤマケンが雫にちょっかい出してその度に自爆するギャグ(?)が随所に挿入されて、笑いと不憫を誘うのも見どころ。
読了日:04月10日 著者:ろびこ
映画批評真剣勝負―ぼくが映画に夢中になった日々 映画論篇 (SCREEN新書)映画批評真剣勝負―ぼくが映画に夢中になった日々 映画論篇 (SCREEN新書)感想
「月曜ロードショー」の解説でお茶の間に親しまれた批評家・荻昌弘が、自らの映画愛を迸らせた名著の復刻版。書名通り、真剣に夢中で映画と向き合っていたことが伝わってきた。
読了日:04月12日 著者:荻 昌弘
となりの怪物くん愛蔵版(4) (KCデラックス デザート)となりの怪物くん愛蔵版(4) (KCデラックス デザート)
読了日:04月15日 著者:ろびこ
となりの怪物くん愛蔵版(5) (KCデラックス デザート)となりの怪物くん愛蔵版(5) (KCデラックス デザート)
読了日:04月15日 著者:ろびこ
となりの怪物くん愛蔵版(7) (KCデラックス デザート)となりの怪物くん愛蔵版(7) (KCデラックス デザート)
読了日:04月15日 著者:ろびこ
となりの怪物くん愛蔵版(6) (KCデラックス デザート)となりの怪物くん愛蔵版(6) (KCデラックス デザート)感想
なんだか、長い長い旅を、彼ら彼女らといっしょに歩んでいた気がする。雫、ハル、ゴルベーザ(夏目)、ササヤン、大島さん、ヤマケン、ユウちゃん、伊代、三馬鹿、それに優山、みっちゃん、安藤も。私にとって『となりの怪物くん』を読むことは、とりもなおさず、その世界の住人になって、雫たちと共に、笑ったり泣いたりすることでした。ありがとう、みんな大好きです。
読了日:04月15日 著者:ろびこ
透明カメレオン (角川文庫)透明カメレオン (角川文庫)感想
裏表紙のあらすじに「秘められた想いが胸を打つ」との文章があったので、てっきりそれは主人公キョウちゃん(桐畑恭太郎)が、ヒロインであるケイさん(三梶恵)に対して抱く、恋慕の情かと思っていた。しかし違った。とても深い哀しみと、限りない優しさが込められた想いだった。ミステリーで泣いたのは東野圭吾『眠りの森』以来のことです。
読了日:04月16日 著者:道尾 秀介
小説 となりの怪物くん (講談社文庫)小説 となりの怪物くん (講談社文庫)
読了日:04月18日 著者:有沢 ゆう希
小説 映画 となりの怪物くん (講談社KK文庫)小説 映画 となりの怪物くん (講談社KK文庫)感想
講談社文庫版(水沢ゆう希版)は展開が早い&全体的にアッサリで「詳細なあらすじ」の域を出ていなかったが、こちらはエピソードが多く拾ってありボリューム感がある。また、「空っぽの金魚鉢」を雫の心象表現のメタファーとして使うなど文章も気がきいており、総じて講談社文庫版よりクオリティーが高い。手に取るならこちらがよろしかろう。※どうでもいいことだが、映画公開前(4/20)のため、脳内にアニメ版のビジュアルが浮かんでしまっていた……
読了日:04月20日 著者:松田 朱夏,金子 ありさ
映画批評真剣勝負 ぼくが映画に夢中になった日々《作品鑑賞篇》 (SCREEN新書)映画批評真剣勝負 ぼくが映画に夢中になった日々《作品鑑賞篇》 (SCREEN新書)
読了日:05月01日 著者:荻 昌弘
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)感想
ミリオンセラーを記録した著者の代表作だが、これほど濃厚でマニアックな作品が100万部も売れたのは、おそらく日本七不思議の一つだろう。ミステリーに不慣れな人が『今夜はナゾトレ』あたりで道尾秀介に興味をもち、コレを手に取ったら、途中でぶっ倒れるんじゃないだろうか。とにかく濃すぎて、読み終えてもなかなか自分の中で消化できないでいる。少なくともつまらなくはなかったが……評価が難しい。
読了日:05月01日 著者:道尾 秀介
拷問少女拷問少女感想
萌え絵つきで拷問器具の説明と拷問のやり方(!)を解説……て、誰に向けた本やねん。
読了日:05月04日 著者: 
君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)感想
映画『君の名は。』本編と絡めてサブキャラクターを掘り下げる、オムニバス形式の外伝。三葉と入れ替わった瀧がブラジャーについてアレコレする「ブラジャーに関する一考察」、テッシーこと勅使河原の悶々とした日常をえがく「スクラップ・アンド・ビルド」、四葉が体験するふしぎな"ムスビ"の物語「アースバウンド」、そして三葉の父・俊樹の主役編「あなたが結んだもの」からなる。三話目までのコミカルなノリはもちろん、連城三紀彦の短編を思わせる重くシリアスな四話目もおもしろい。
読了日:05月10日 著者:加納 新太
超訳般若心経―“すべて”の悩みが小さく見えてくる (知的生きかた文庫)超訳般若心経―“すべて”の悩みが小さく見えてくる (知的生きかた文庫)感想
般若心経の意味するところを、素朴な文章で述べた一冊。のんびりと縁側でお茶をすすりながら話を聞くような、軽さとほがらかさを感じさせる。心が荒んでいるときは、こういう本にひたるに限りますねぇ
読了日:05月16日 著者:境野 勝悟
悪の正体 修羅場からのサバイバル護身論 (朝日新書)悪の正体 修羅場からのサバイバル護身論 (朝日新書)感想
世界のいたるところに潜んでいる「悪」について、聖書を手がかりに、極めてロジカルな視点でアプローチしている。新書とは思えないほど濃い情報量で、一読しただけでは理解が追いつかない。巻末に記された読書法を駆使して、繰り返しのアプローチをこころみてみよう。
読了日:06月28日 著者:佐藤 優
感情的な人に負けない本 (WIDE SHINSHO)感情的な人に負けない本 (WIDE SHINSHO)
読了日:07月29日 著者:和田秀樹
太平洋戦争を読み直す (PHP文庫)太平洋戦争を読み直す (PHP文庫)感想
2000年代前半、様々な雑誌に寄稿された昭和史の論考をまとめたもの。同著者の既刊本と重複する内容も多いのだが、知識を定着される反復練習として。
読了日:07月31日 著者:保阪 正康
大人のアスペルガーがわかる――他人の気持ちを想像できない人たち (朝日新書)大人のアスペルガーがわかる――他人の気持ちを想像できない人たち (朝日新書)感想
内容は以前読んだ備瀬哲弘『大人の発達障害』(集英社文庫)とおおよそ同じように感じた(どちらも、専門的な話を分かりやすく説くというコンセプトなので、重複するのも致し方無し)。第9章「学校教育の遅れ」の中に、教師が言ってはいけないNG事例の表が記されているのだが、そこに書かれていること全て、私が上司に言われたことだったので苦笑してしまった。ぜったい許さねえぞアイツ
読了日:08月07日 著者:梅永雄二
希望の資本論 (朝日文庫)希望の資本論 (朝日文庫)感想
マルクス資本論』が説いている内容を手がかりに、日本国内や世界の情勢を推し量っていく。対談している両者のトークがあまりに濃すぎて、一読しただけでは飲み込みきれないインテリジェンスの凝縮感。これは<汗をかきながら読む>トレーニングということか。いずれ再挑戦する。
読了日:08月11日 著者:池上彰,佐藤優
海外で恥をかかない世界の新常識 (集英社文庫)海外で恥をかかない世界の新常識 (集英社文庫)感想
近代史の知識をからめた観光ガイドの趣き。いつもより軽いノリで楽しく読めたが、欲を言えば写真を掲載してほしかったな。
読了日:08月15日 著者:池上 彰
コミックエッセイ アスペルガー症候群の「そうだったんだ! 」が分かる本 (宝島SUGOI文庫)コミックエッセイ アスペルガー症候群の「そうだったんだ! 」が分かる本 (宝島SUGOI文庫)感想
今まで読んだ発達障害関連の図書で、いちばんタメになったかもしれない。今まで読んだ本には「周囲がどう接すればいいか」の記述があっても「アスペルガーの当事者が具体的にどう振る舞えばいいのか」という指摘がなかったが、本書にはある! これに書かれていること全部は実行できなくても、少しづつフィードバックできればいいなと思う。
読了日:08月21日 著者:西脇 俊二
HUGっと!プリキュア(1)プリキュアコレクション (ワイドKC なかよし)HUGっと!プリキュア(1)プリキュアコレクション (ワイドKC なかよし)感想
『ゴープリ』から始まった日常エピソード路線は継続。描き下ろし中編は、クライアス社の初期型アンドロイドが出現し、えみるを毒牙にかけんと企む重めのエピソードで、これを膨らませば劇場版かOVAにもできるのでは? と思った。
読了日:08月21日 著者:上北 ふたご
知らないと恥をかく世界の大問題9 分断を生み出す1強政治 (角川新書)知らないと恥をかく世界の大問題9 分断を生み出す1強政治 (角川新書)感想
「トランプさんとプーチンさんは日本の味方!」とか前巻のレビューで書いてたシェリルアイコンのネトウヨさん、息してるぅ~?
読了日:09月11日 著者:池上 彰
知らなきゃよかった 予測不能時代の新・情報術 (文春新書)知らなきゃよかった 予測不能時代の新・情報術 (文春新書)感想
『新・戦争論』『大世界史』『新・リーダー論』につづくシリーズ第4弾。トランプ現象、モリカケ問題、南北融和ムードの朝鮮半島、ともに独裁強化がすすむ中国とロシア、泥沼からの出口が見えないシリア情勢など、ニュースを騒がす諸問題について語り倒している。手に取るとき「いやいや、そうは言っても知りたいと思って読むんだからさぁ」とナメテかかったら、読後の印象はやはり「知らなきゃよかった……」なのであった(日本は閣僚も官僚も阿呆ばっかりかよ!)
読了日:09月17日 著者:池上 彰,佐藤 優
凶夢など30 (新潮文庫)凶夢など30 (新潮文庫)感想
ん? ちょっと待てよ……な「考えオチ」が少し多い印象。しかしながらショッキング極まる表題作「凶夢」、ユーモラスな味わいが気持ちいい「生きていれば」、人類という存在の根底を問う壮大な巻末作「捕獲した生物」など、ビシっと決まるものもちゃんと用意されている。
読了日:10月01日 著者:星 新一
ありふれた手法 (新潮文庫)ありふれた手法 (新潮文庫)感想
宇宙人やSFは少なめで、落語や民話を想起されるものが多い「おのぞみの結末」パターン。後期作のためか、めずらしく著者本人のあとがきがある。自らの着想・執筆について語ったもので、本編に負けず劣らず興味深い。
読了日:10月07日 著者:星 新一
盗賊会社 (新潮文庫)盗賊会社 (新潮文庫)感想
素っ気ないほどのシンプルな文章で、飽きずに読めるショートショートが36編。もしかして実話なんじゃないかと思わせる「ぼろ屋の住人」、あまりにも悲しい「善意の集積」、そのうち現実が追いつくかもしれない予言めいた「長い人生」あたりが特にお気に入りである。
読了日:10月12日 著者:星 新一
昭和の怪物 七つの謎 (講談社現代新書)昭和の怪物 七つの謎 (講談社現代新書)感想
保阪正康の著作には、昭和史の大きな流れを扱ったものと、小さいポイントを掘り下げたものと2タイプあるが、これは後者のカテゴリーに入る。昭和の歴史を見つめた当事者の聞き書きをもとに、深層に迫っていく。いささか重箱の隅をつついている感は否めないものの、年表や出来事を羅列するだけが歴史の綴り方ではないとも思うから、これはこれで正解なのだろう。
読了日:10月15日 著者:保阪 正康
月と蟹 (文春文庫)月と蟹 (文春文庫)感想
それぞれ家庭的にままならない問題を抱えた3人の小学生:慎一・春也・鳴海を通して、「子供時代の終焉」をえがいた直木賞受賞作品。子供から大人になる物語といえば、大きなことを成し遂げて立派になるビルドゥングス・ロマンを想像するだろうが、本作は違う。ここにあるのは、シンプルに楽しいことだけを摂取できた子供が、ズルさ・憎悪・嫉妬・誤魔化し・欺きといったネガティブなものを吸収して穢れていくプロセスだ。成長とは、汚染とほぼ同義であるということを突きつけられる、とても苦い物語だった。
読了日:10月21日 著者:道尾 秀介
ストレスと適応障害 つらい時期を乗り越える技術 (幻冬舎新書)ストレスと適応障害 つらい時期を乗り越える技術 (幻冬舎新書)感想
同著者の『アスペルガー症候群』と同じく、実直かつわかりやすい言葉でつづられている。このテのメンタル系の本は、原則論やきれいごとで誤魔化してちっともタメにならないものが多いが、本書は徹底して具体的な記述を貫いており、これなら今のつらい気持ちにも立ち向かえそうだ。
読了日:11月11日 著者:岡田 尊司
はじめてのサイエンス (NHK出版新書)はじめてのサイエンス (NHK出版新書)感想
理系科目が苦手だった著者の送る、理系科目が苦手な人向けの科学入門書である。どの章にも、科学的理論に付随する歴史や政治の動きが語られており、サイエンスが我々と密接に結びついていることを認識させられた。
読了日:11月19日 著者:池上 彰
池上彰の 世界を知る学校 (朝日新書)池上彰の 世界を知る学校 (朝日新書)感想
立教大学での授業をテキスト化したもので、アメリカ・ヨーロッパ(EUとイギリス)・ロシア・中東の現代史を大雑把におさらいする。イイトコの大学の授業が、およそ900円で受けられ、これだけのインテリジェンスが手に入るのだから安いものです。第2弾のアジア編も楽しみ。
読了日:11月26日 著者:池上彰
(158)ニュースがわかる高校世界史 (ポプラ新書)(158)ニュースがわかる高校世界史 (ポプラ新書)感想
現在(※2018年8月時点)と世界史のつながりを述べた本で、先に読んだ朝日新書『世界を知る学校』と趣旨・記述に似通ったものがある(池上彰の著作は、近著で内容がカブることが多い)。こちらは増田ユリヤによるドイツ・メキシコの取材レポートがあり、より生々しさを感じさせる仕上がり。併せて読めば、世界史の学びなおしサブテキストとして有用かもしれない。
読了日:12月12日 著者:池上 彰,増田 ユリヤ
発達障害に気づかない大人たち (祥伝社黄金文庫)発達障害に気づかない大人たち (祥伝社黄金文庫)感想
帯におどる<「発達障害」入門の決定版>の文字はあながち伊達ではない。底本が新書だったこともあり、すんなりと頭に入る記述で書かれている。特に発達障害にともなう合併症(うつ、対人恐怖症、不安障害など)の記述は参考になった。
読了日:12月25日 著者:星野仁彦

読書メーター

2018年12月の読書メーター&ブクログまとめ

12月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:516
ナイス数:22

(158)ニュースがわかる高校世界史 (ポプラ新書)(158)ニュースがわかる高校世界史 (ポプラ新書)感想
現在(※2018年8月時点)と世界史のつながりを述べた本で、先に読んだ朝日新書『世界を知る学校』と趣旨・記述に似通ったものがある(池上彰の著作は、近著で内容がカブることが多い)。こちらは増田ユリヤによるドイツ・メキシコの取材レポートがあり、より生々しさを感じさせる仕上がり。併せて読めば、世界史の学びなおしサブテキストとして有用かもしれない。
読了日:12月12日 著者:池上 彰,増田 ユリヤ
発達障害に気づかない大人たち (祥伝社黄金文庫)発達障害に気づかない大人たち (祥伝社黄金文庫)感想
帯におどる<「発達障害」入門の決定版>の文字はあながち伊達ではない。底本が新書だったこともあり、すんなりと頭に入る記述で書かれている。特に発達障害にともなう合併症(うつ、対人恐怖症、不安障害など)の記述は参考になった。
読了日:12月25日 著者:星野仁彦

読書メーター

AnmitsuK の本棚 - 2018年12月 (2作品)
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