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2020年4月の読書メーター・ブクログまとめ

4月の読書メーター
読んだ本の数:1
読んだページ数:392
ナイス数:12

そうだったのか! 朝鮮半島 (集英社文庫)そうだったのか! 朝鮮半島 (集英社文庫)感想
たぶん『そうだったのか!』シリーズの中で、最も刊行および文庫化を望まれていただろうテーマ。70年余にわたる朝鮮半島の現代史を、南北交互に章を設けて紐解いていく。出版はアンチ・ヘイト本姿勢を打ち出している集英社だし、わざわざ裏表紙に「フェアな視点で学べる」なんて文言を設けているくらいなので、たぶんリベラルな本なんでしょう。
読了日:04月21日 著者:池上 彰

読書メーター

まだ「さよなら」を言う気分にはなれねぇ

https://www.tv-asahi.co.jp/shinchan/news/0072/

f:id:AnmitsuK:20200419171659j:plain

<画像はテレ朝公式サイトより>

 

志村けんの訃報もまだ受け止めきれていないのに……・

 

2017年に活動再開したあとも、ひろし役は森川智之のままだったのを不思議に思っていたが、まさか癌を患っていたとは……こんなかたちで納得したくはなかった。

 

藤原啓治フィルモグラフィーで、最も取りざたされるのは、やはり『クレヨンしんちゃん』の野原ひろしだろう。1992年の放映開始から休業する2016年まで、実に24年間にわたり演じ続けた当たり役だ。

 

『-しんちゃん』の放映がはじまった頃、しんのすけと歳が近かったアラサー世代からすると、野原ひろしとは即ち、「もうひとりの親父」とも言うべき存在だった。

(波平やマスオさん、さくら家のひろしはちょっと古風なので)

 

威厳のある父親ではなく、かといってダメおやじでもない。等身大の愛すべき小市民、平成の父親像のモデルケース、それが野原ひろしだった。

 

初代野原ひろしこと藤原啓治の声は、だから、多くのアラサーにとって、「父親の声」だったのだ。

この訃報にショックを受けているアニメファンの心痛は、おそらく、親族を亡くしたそれに匹敵するのではないか。惜しむ声が跡を絶たないのも宜なるかな

 

享年55。人生100年と言われるこのご時世で、なおかつ役者としてもまだまだこれからという時に、残念でならない。

 

 

 

藤原啓治の休業に伴い、2016年から、ひろし役は森川智之が引き継いでいる。森川の2代目野原ひろしは、びっくりするほど藤原の初代そっくりで、交代した事情を知らない人が見たら、絶対に気づかないレベル。しかしそれも、藤原啓治が作り上げた「野原ひろし」のキャラクター像が強固なものだからこそだろう。

最近読んだ本3冊~『ボクたちのBL論』(サンキュータツオ×春日太一)、『戦場体験者-沈黙の記録-』(保阪正康)、『考える力がつく本』(池上彰)

NHKねほりんぱほりん』の「腐女子」回で、現役腐女子たちが赤裸々にその生態を語っていたが、それをさらに掘り下げた印象を受けた。<腐女子の視点とは、作品をよりディープに楽しむハイレベルな知的遊戯である>とのポジティブな観点から、腐女子的な思考が、おじさん2人によって徹底的に腑分けされていく。

著者2人の萌え語り(=人生語り)が、楽しい上に興味深いものばかりで、読むこちらまでも内省的な気持ちになり、思考がクリアになった。新たな発見が数多いという意味で、これはもはや学術書のレベルに達している気がする。

あとBL・やおいに限らず、「関係性に萌えを見出す」「描かれていない部分を、能動的に想像力で補う」という楽しみ方は、のめり込むコンテンツがあるオタクならみんな共感できる筈で、創作論の本にもなっている。
(実際、春日太一は本書の中で、面白い作品にはおしなべてBL的と言えるキャラクター同士の激烈な関係性が存在することを指摘している)
これまで読んだ昭和史書籍の中でも、断トツで頁をめくる手が重かった。学校で教わる「戦争体験」とは主に、銃後の市民が味わった、被害者としての体験だが、ここに刻まれているのは題名通り、武器を手に殺し殺される、<戦場>の体験である。世代的に、もう当事者から話を聞くのがほぼ不可能になっている内容だけに、貴重で価値ある記録だと思った。同時に「こういった記録は、国が総力をあげて残さねばならないのでは?」という憤りにも似た疑問がわいた。何が誇りだ、何が感謝だバカタレが。
幼少期、NHK時代、そしてフリージャナーナリストとなった現在に至るまでのライフスタイルを通じ、読むこと・話すこと・聞くこと・考えること・書くこと・調べることのノウハウを説いている。

「ネットやTVだけのインプットでは不十分」
「インプットは、内容を人に説明することを前提にすると頭に入る」
「知らない分野を題材にしたビジネス小説は楽しみながら知識も得られる」
「すぐに役立たないものは、ずっと役に立つ」

といった非常にためになるテーゼは流石だが、しかし『伝える力』『学び続ける力』『記者になりたい!』などの、これまでの著書と重複する部分がどうしても多いのであった(そこが池上彰流の親切さなので、別にマイナスとは思わない)。