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主にニチアサ(スーパー戦隊・仮面ライダー・プリキュア)、ときどき読書

2018年10月の読書メーター・ブクログまとめ

10月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1363
ナイス数:38

凶夢など30 (新潮文庫)凶夢など30 (新潮文庫)感想
ん? ちょっと待てよ……な「考えオチ」が少し多い印象。しかしながらショッキング極まる表題作「凶夢」、ユーモラスな味わいが気持ちいい「生きていれば」、人類という存在の根底を問う壮大な巻末作「捕獲した生物」など、ビシっと決まるものもちゃんと用意されている。
読了日:10月01日 著者:星 新一
ありふれた手法 (新潮文庫)ありふれた手法 (新潮文庫)感想
宇宙人やSFは少なめで、落語や民話を想起されるものが多い「おのぞみの結末」パターン。後期作のためか、めずらしく著者本人のあとがきがある。自らの着想・執筆について語ったもので、本編に負けず劣らず興味深い。
読了日:10月07日 著者:星 新一
盗賊会社 (新潮文庫)盗賊会社 (新潮文庫)感想
素っ気ないほどのシンプルな文章で、飽きずに読めるショートショートが36編。もしかして実話なんじゃないかと思わせる「ぼろ屋の住人」、あまりにも悲しい「善意の集積」、そのうち現実が追いつくかもしれない予言めいた「長い人生」あたりが特にお気に入りである。
読了日:10月12日 著者:星 新一
昭和の怪物 七つの謎 (講談社現代新書)昭和の怪物 七つの謎 (講談社現代新書)感想
保阪正康の著作には、昭和史の大きな流れを扱ったものと、小さいポイントを掘り下げたものと2タイプあるが、これは後者のカテゴリーに入る。昭和の歴史を見つめた当事者の聞き書きをもとに、深層に迫っていく。いささか重箱の隅をつついている感は否めないものの、年表や出来事を羅列するだけが歴史の綴り方ではないとも思うから、これはこれで正解なのだろう。
読了日:10月15日 著者:保阪 正康
月と蟹 (文春文庫)月と蟹 (文春文庫)感想
それぞれ家庭的にままならない問題を抱えた3人の小学生:慎一・春也・鳴海を通して、「子供時代の終焉」をえがいた直木賞受賞作品。子供から大人になる物語といえば、大きなことを成し遂げて立派になるビルドゥングス・ロマンを想像するだろうが、本作は違う。ここにあるのは、シンプルに楽しいことだけを摂取できた子供が、ズルさ・憎悪・嫉妬・誤魔化し・欺きといったネガティブなものを吸収して穢れていくプロセスだ。成長とは、汚染とほぼ同義であるということを突きつけられる、とても苦い物語だった。
読了日:10月21日 著者:道尾 秀介

読書メーター

AnmitsuK の本棚 - 2018年10月 (1作品)
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