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知ってることだけ話しますよ

感受性を持って生まれた以上、面白がれぬものがあるかよ

2017年1月に読んだ本と見たDVD

忘備録
  • 2017年1月に読んだ本

 

■新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

コインロッカーに捨てられた2人の少年が辿る、毒々しい運命の物語……と一言でまとめるのは簡単だが、読む側の心を掻き毟る迫力は尋常ではない。極端に少ない改行で、頁が真っ黒になるほど埋め尽くされた文字文字文字文字また文字。描写するというより、叩きつけると言ったほうが似合いそうな筆致に圧倒された。

読了日:1月2日 著者:村上龍

 

■考えない練習(小学館文庫) 

2017年は自己改造に挑もうと思って購入した。簡単にまとめれば、『(アレコレ余計なことを)考えない(で、集中力を高める)練習(でもキツいことは何にもありませんよ)』といったところ。各章で挙げられるネガティブな考え方・生き方の例が、まさしく自分に当てはまることばかりで、「今まで随分と、自分で自分を苦しめてきたのだなぁ」と神妙な気持ちになった。内容を全て実行するのは無理でも、やれそうなことから始めてみよう。

読了日:1月6日 著者:小池龍之介

 

■苦しまない練習(小学館文庫) 

『考えない練習』につづいてこちらも。いちばん心に残ったのはLesson17「この瞬間を生きる」だった。「過去も未来も考えるな、今を生きるのが大事」という主張はこのテの本だと常套手段だが、「過去の美しい思い出も未来への期待も、苦しみを生み出す元凶である」との指摘にはハッとさせられた。大事なのは、今何をするかだけなんだ。2冊読んで、だいぶ気持ちがラクになった。

読了日:1月6日 著者:小池龍之介

 

■あかんやつら 東映京都撮影所血風録 (文春文庫)

同著者の『時代劇は死なず!』は主にTV時代劇の歩みを追った書だったが、こちらは映画、それも「東映京都撮影所」に絞ったものである。530頁の大ボリュームだが、読む手はまったく止まらず、一気に読み切ってしまった。映画に全てをかけて魂を燃やし尽くした、フィルムに写っていない作り手たちの熱すぎるドラマに、泣き笑いが止まらない……

読了日:1月9日 著者:春日太一

 

■眠りの森 (講談社文庫)

加賀恭一郎シリーズ第2の事件。刑事になった加賀恭一郎が、名門バレエ団の内部で起きた不可解な事件の捜査に臨む。裏表紙のあらすじからして既に誰が犯人なのか仄めかしているし(ミステリーで主人公が惹かれていく人間が、怪しくないワケないだろ!)、加賀が推理のヒントを見つけるイベントも、ちょっと出来過ぎな印象はある。しかし、それを補って余りあるのがラストシーンの美しさ。なんと切なく悲しみに満ちた結末であることよ。前作『卒業』が優れた青春小説だったように、本作は最高の恋愛小説といえるだろう。
読了日:1月11日 著者:東野圭吾

 

 

■人間を信じる (岩波現代文庫)

不朽の名作『君たちはどう生きるか』の著者:吉野源三郎が抱いていた思想の一端を垣間見る。立派な作品を世に出す人間というのは、精神的にも並外れた強靭さがあるし、審美眼も鋭いのだと改めて噛み締めさせてもらった。たとえ綺麗事だと嗤われても、人としての矜持は持ち続けねばならぬ。
読了日:1月13日 著者:吉野源三郎

 

 ■川村敏江 東映アニメーションプリキュアワークス

ナイトメアとエターナルの頁が無いのは残念だが、改訂版に望みをかけよう。ブンビーさんに会いたい……
読了日:1月14日 著者:川村敏江・画

 

人間小唄 (講談社文庫)

怪文書を送られた作家が、その内容を自作でネタに使ったら、送り主に異次元空間に拉致されて、解放する代わりに課題を与えられる。①短歌を作れ……失敗、②ラーメンと餃子の店を出して人気店にしろ……いいトコまで行ったが失敗、③暗殺……ターゲットに拉致監禁され、総合格闘技の試合を申し込まれて敗北。作家の脳が壊れてお終い。内容を全てネタバレしてしまったが、まぁいっか。ネタバレしたところで何にも影響は無い。
読了日:1月14日 著者:町田康

 

 

 ■悪意 (講談社文庫)

加賀恭一郎シリーズ第3の事件。人気作家を不可解な動機で殺害した犯人の心理を、加賀が地道な調査と推理で一歩一歩追い詰めていく。前2作(『卒業』『眠りの森』)は、謎解きの面白さに、深みのある人間ドラマをプラスして作品価値を高めていたが、こちらは「殺人の動機」をひたすらに掘り下げて一気に読ませる技巧派のつくり。ミステリーを読む醍醐味を「なんの疑いもなく信じ切っていた前提がひっくり返る驚き」だと定義するならば、本作は最高峰の驚きを私にもたらしてくれた。傑作の誉れ高いのも納得である。
読了日:1月17日 著者:東野圭吾

 

■第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)

去年、『アメトーーク』の「読書芸人」および「本屋で読書芸人」にて、又吉が好きな本として挙げていた『コインロッカー・ベイビーズ』『人間小唄』『何もかも憂鬱な夜に』を手に取った。その中で『コインロッカー・~』は傑作だと思ったが、あとの2冊は非常に手強くて読むのに難儀した(『何もかも~』は薄めなのに、いやぁ進まねぇ進まねぇ)。考えてみれば小説の好みとは、ある程度通俗性が確保されている映画やTVドラマよりも、さらに「人それぞれ」が顕著に出るものだ。本書を読んで、又吉の感受性を垣間見た。私とはズレていると思った。
読了日:1月22日 著者:又吉直樹

 

 

どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)

加賀恭一郎シリーズ第4の事件。最愛の妹を殺され復讐に燃える刑事VS復讐を止めるため奔走する加賀の、息詰まる推理の攻防を描く。タイトルどおり、容疑者が2人しかいない状態で、「どちらが犯人か」の推理が全編に展開する異様な緊張感がたまらない。また、真相に迫ろうとする探偵役を2人配置したことで、「どちらが先に真実へたどり着くか」というレース的なスリルも生まれている。
読了日:1月23日 著者:東野圭吾

 

私が彼を殺した (講談社文庫)

加賀恭一郎シリーズ第5の事件。醜悪な愛憎のもつれによって引き起こされた殺人事件の犯人を、加賀恭一郎がじわじわと追い詰める。前作『どちらかが彼女を殺した』では容疑者が2人だったが、こちらは3人に増え、さらに容疑者自身の一人称形態をとっている(3人の視点が1章ごとに切り替わる)から、得られる情報の信憑性が低いときている。おまけに人物描写が、読むものを不快にさせるためとしか思えないほどキツい。作品から発せられる空気は『レイクサイド』に近いと思った。
読了日:1月27日 著者:東野圭吾

 

 

 

池上彰の新聞ウラ読み、ナナメ読み (PHP文庫)

ダイヤモンド社刊行の『池上彰の新聞活用術』を底本に、朝日新聞の連載コラム『池上彰の新聞ななめ読み』の掲載分を合わせ文庫化したもの。コラムの順番が掲載順でなく、話題が新しいものと古めのものが前後するので戸惑うが、メディア・リテラシーを鍛えるよい教材である。「○○新聞は偏向している!」などと青筋を立てて怒鳴っている人にこそ読んでもらいたい。
読了日:1月30日 著者:池上彰

 

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  • 2017年1月に見たDVD

 

帰ってきたウルトラマン Vol.2 [DVD]

第5話「二大怪獣 東京を襲撃」 第6話「決戦!怪獣対マット」 第7話「怪獣レインボー作戦」 第8話「怪獣時限爆弾」
鑑賞日:01月08日

 

スーパーロボットレッドバロン Vol. 1 [DVD]

変身ブーム華やかなりし1973年に放映された特撮メカアクション。巨大兵器メカロボを繰り出し世界征服をたくらむ秘密結社「鉄面党」に、正義のスパイ組織「SSI」が立ち向かう。等身大の格闘に巨大メカ戦闘を組み合わせたスタイルは、当時流行っていたヒーローものとロボットアニメのいいとこ取りだが、野口竜による優れたデザインワークと、それに応えるレベルの高い特撮は、円谷・東映に負けない魅力を放っている。。第1話「ロボット帝国の陰謀」~第4話「必殺!フェニックス戦法」まで。
鑑賞日:01月29日