春の風物詩といえば「エイプリルフールのネタで炎上する有名人」「女学生に無理やり飲酒させてレ○プする早稲田のラグビー部員」の二大巨頭だが、さっそく前者が出た。
声優・高野麻里佳がエイプリルフールの嘘ネタとして、同業者である高木友梨香と、ペアリングまで用意して「真剣交際」を宣言する動画を公開。すると、それがクィアペインティングであるとの批判が殺到し、高野はTwitterで謝罪声明を出す運びとなった。
本日のエイプリルフール企画について、不快に思わせてしまった皆様に深くお詫び申し上げます。
— 高野 麻里佳 (@marika_0222) 2023年4月1日
人に優しく、楽しい世界を目指すためには、何よりも先ず自分自身が世の中のことをもっと知る必要があると痛感しました。
ご指導、ご指摘いただいた皆様、ありがとうございました。…
あー、またか。そんな感想を抱いた人は少なくなかったろう。
昨年(2022年)、当時乃木坂46のメンバーだった秋元真夏が、同様のやらかしをして炎上したのも記憶に新しい。
クィアペインティング炎上には、ふたつの特徴がある。まず、以下の流れがテンプレ化していること。すなわち、
女性有名人が同性婚ネタを投稿・公開
↓
批難を受け炎上
↓
投稿を削除したり謝罪声明を出す
そしてもう一つの特徴が、毎年何度も繰り返されることだ。炎上する人が違うだけ。「期間をあけてリピートする炎上」という意味では、バイトテロや飲食店迷惑行為動画と大差ないと言ってよかろう。冒頭、嫌味で「春の風物詩」などと書いた理由もそこにある。
正直、高野麻里佳の炎上を眺めていたとき
「このパターンに嵌っちゃったか」
と思った。謝罪声明を出したときは
「まぁ、よく知らずにやらかしちゃったんだから……」
と気の毒に思った。
だが、今回の炎上はそこで終わらなかった。
クィアペインティング炎上で展開される本番の地獄は、謝罪声明が出た後にやってくる。それは以下の2ステップ。
謝罪を出しても尚「そんな文章で謝罪してるつもりか」「何が悪いのか分かってないな」と追撃する者が現れる
↓
追撃に対し「何も悪くない」「謝ることなんてない」「騒ぐ奴らこそ差別主義者だ」と擁護する声が上がり、場外乱闘が始まる
叩く側は一度ヒートアップすると、矛の収め時が分からなくなるから、下げた頭にゲンコツ食らわすような追撃をおこなう。
一方、ファンとしては推している芸能人が炎上して批難が殺到すれば、庇い立てしたくなるもの。そんな人情から、批判者への攻撃が始まる。
※当人が非があると認めて謝罪しているのだから、その反省する姿勢をこそ肯定すべきだと思うのだが、ファン達はそうしない。なぜなら「ファン」とはファナティッカー(Fanatiker:狂信者)が語源だから。
で……。
炎上して謝罪した高野麻里佳さん、なんと謝罪声明を出した後に擁護ツイートを大量に「いいね」していましたとさ。
現在、それらの「いいね」はほとんど取り消されているが、なぜか「何も悪くないだろ」という擁護ツイートだけは取り消されずに残っている(2023年4月5日22:30現在)。
「何も悪くないだろ」発言にいいねしちゃってるんですがそれは https://t.co/NHo2hnQ0n9 pic.twitter.com/DVcqdomCSJ
— あんみつ/くるみ院/影スター (@AnmitsuK) 2023年4月4日
鍵をかけていない公開アカウントは、「いいね」欄も他者に筒抜けになるため、場合によっては炎上の種になる。以前、あるノンフィクション作家が、不適切な発言を「いいね」していたとして炎上した事例もあった。
毎年恒例のクィアペインティング炎上で終わらず、不適切発言「いいね」炎上までもが悪魔合体して発生するとは、まったくもって驚いてしまった(そんな所で新鮮味を出すな)。
それにしても……。
哀しい pic.twitter.com/51m5xBl3m0
— あんみつ/くるみ院/影スター (@AnmitsuK) 2023年4月4日
彼女の心情を察するに、頭に血が上っちゃったのかなぁ……という気もする。ほとんどの「いいね」を取り消したのは、さすがに後になって頭が冷えたのだろう。
謝罪声明ツイートにも
「何も分かってない」
「ご不快構文でごまかすな」
という旨の追撃リプ・引用が多く見受けられたから、逆ギレしたくなる気持ちも、正直、分かる(しかし、「何も悪くないだろ」発言だけいいねを残してるのは分からん)。
そろそろ「お前はどっちの立場でモノ言ってんだ」とか言われそうなので……。
声優オタクの端くれとして、高野麻里佳は、個性的な芝居で存在感のある、非凡な才覚の持ち主だと思っている。
ちなみに、存在をしっかり認識したのは『後宮の烏』のジュジュ役と、『万聖街』のリリィ役(スマホゲームを基本的にやらない人間なので、ウマ娘はよく知らない)。
ハッキリ言って、かなり好きな声優さん。だからこそ、残念(クィアペインティング)に残念(不適切「いいね」)が重なる今回の炎上が悲しい。だからこそTwitterで延々と言及をつづけ、さらにはここでこんなに長ったらしく、ダラダラダラダラあーでもないこーでもないと理屈をこねくり回すエントリーを書いている。
これを書いている2023年4月5日時点で、擁護ツイートに「いいね」したことに対する声明は公式に出ていない。もし出たら、追記するか、場合によっては記事を削除する可能性もある。
もし謝罪第二弾がきたら、もう私はこの件への言及をやめ、彼女の出演作品も素直な気持ちで見ることにする。